仕事は根性でなんとかしようとするな。

今回はコンサルタントにとって、ある種バイブルのような本『イシューからはじめよ』を読みなおしましたので、解説しようと思います。

この本は私が新卒1年目の春に先輩から

「真っ先に読め」といって渡された本です。

他の職業や職種よりも、知的生産性の高いといわれているコンサルタントが「何を考えて」仕事をしているのか、

そして「なぜ生産性が高いのか」がわかる1冊となっています。

本の内容をまとめると、

仕事の生産性を高めるには、”イシュー度”の高い、より本質的な問題を発見して解決していくことが重要、というものでした。

内容について、具体的に説明していきます。

生産性を高めるためにはなぜ「イシュー」の特定が必要なのか

それは、仕事の生産性が”解の質”×”イシュー度”によって決定づけられるためです。

それぞれの用語を簡単に説明すると、

  • 解の質:ある問題に対してどこまで解決策を見いだせているか
  • イシュー度:ある問題を解決しなければならないという必然性はあるか

日々、解決しなければならない問題はたくさん目の前に転がってくると思いますが、

生産性の高い仕事の仕方は、本質的に解決しないといけない”イシュー度”の高い問題を見極めて、質の高い解決策を見出していくことが重要というわけです。

また、ここでは”解の質”と”イシュー度”を高めていく順番にも意味があって、

イシュー度⇒解の質

でなければいけません。

というのも、先に”解の質”を高めようとしてしまうと、本当は大事ではないどうでもよかった問題に対して解決を検討してしまい、本質的に重要な問題を後回しにしてしまう可能性があるためです。

例えば、職場の生産性が悪いという問題を解決しようと思ったときに、考えられる問題点は多数あると思います。

  • お互いに話かけられるような雰囲気がない
  • テーブルの配置が悪い
  • いちいち書類の処理がアナログ
  • 電話がなりやまない
  • ・・・

これらの問題点の中で、「本当に職場の生産性を高めるために解決しなければいけないのはなにか」をとらえることが”イシュー度”を高めることで、それを特定してから解決に向けて動きだすのが正しい順序であることは、なんとなく想像がつくと思います。

全部解決しなければいけないことかもしれませんが、解決したときにインパクトの大きい順から手を付けていくべきということです。

イシューの特定方法

イシューの特定には3つのポイントがあります。

  • 1次情報を集める
  • 基本情報は収集しておく
  • 情報を集めすぎない

1次情報を集める

ここでいう1次情報とは、現場の声や状況、加工されていない統計データなど、本や人から聞いた情報ではなく、実際に起きている現象のことです。

先ほどの「職場の生産性」の例で行くと、実際働いている人たちにアンケートを取ったり、職場で実際に何が起きているのかを把握することが、この”1次情報”を集めることに当たります。

本に書いてあることや、人に聞いた話は「意見」が混ざってしまうので、正常に判断ができなくなってしまうことがあります。

そのため、しっかりと生の現場の状況を見に行くことが”イシュー”の特定には必須のポイントになります。

基本情報は収集しておく

ここでいう基本情報は、世の中で普遍的に言われている常識や知識は押さえておく、ということです。

先ほどの「職場の生産性」の例でいくと、生産性とはどういうことか、や、生産性の高い職場とはどういう状態かということを基本情報として押さえておく必要があります。

こうした常識や知識をなしにして話を進めてしまうと、解決するイシューの方向性がずれていってしまう可能性があります。

生産性が高い状態ってどういう状態かわからないけど、現場社員から「椅子が固い!」と文句が出ているからそれが問題に違いない、、

なんて判断しないですよね。

常識や知識はしっかり身につけておかないとイシューの特定には至りません。

情報を集めすぎない

集めることは必要なのですが、集めすぎはよくないということです。

情報収集をしているとわかると思いますが、ある程度調べていくと

「これ以上調べても、一回調べた内容ばっかりでる」という状況になると思います。

そうした状態のときに「まだ知らないことがあるかも」と情報収集に時間をかけるのはもったいないです。

時間の話とは別に、また調べていると「これが正しいんだ」と決めつけてしまうこともよくあると思います。

情報を集めすぎてしまうと、目の前の情報にとらわれてしまい、イシューの特定の際にフィルターがかかってしまうことにもなります。

極端な例ですが、「職場の生産性」を調べていると「歯が健康だと生産性が高くなる」という情報を得たとして、

「じゃあ、歯科検診を導入して社員の歯の健康を保とう!」というのがイシューになるとは思いますか?

きっと違いますよね。

このように情報を集めすぎるとそれにとらわれてしまい、イシューを見失ってしまいます。

まとめ

上記で述べたように、生産性を高くするには「イシュー」の特定が必要不可欠です。

本書では、より細かな具体例をもってイシュー特定のポイントや考えの進め方を解説しています。

より詳細に知って、生産性を高くしたいと考えている方は、

是非『イシューからはじめよ』を購入して実践してみてください。